研究概要 |
本研究は、今後の製造業の情報化を考え直す上で一つのキーワードとしてのプロセス革新の概念に着目し、その概念に基づく製造業の情報化の方策を研究することを目的としてきた。プロセス革新とは、今まで現状の組織および業務体系の上に構築していた情報システムを、製造業における効用生成の源泉である物の流れを中心とする業務プロセスに着目し、消費者サイドにたって、それを再考察し、その上に経営組織と情報システムを再構築しようとする考え方である。この指針に従って研究を行った研究実績の概要を以下に示す。 1.既存の情報システム開発方法論をプロセス革新指向として捉えた場合の利用可能性を詳細に検討した結果、データ指向の開発方法論が有用であることがわかった。 2.エクセレントカンパニ-と言われる代表的製造企業、複数を選定し、その企業の情報システム開発戦略、製造戦略を検討し、成功要因を仔細に検討するとともに、それらをもたらしたと考えられる各企業の製造・物流・マーケティングオペレーションプロセスの改善による各企業の生産性要因、原価要因、フレキシビリティ要因、時間要因を明らかにするコンピュータ・シミュレーション・モデルを作成し、その要因を明示および確認した。 3.2の結果に基づき、現在、今まで研究代表者等が提言してきた生産プロセスの革新に焦点を当てたシステム開発方法論の概念を新たに構築して直すことを検討している途上にある。また並行して現在、その方法論に沿った、誰でも容易に使用が可能なGUI環境が整備されたコンピュータ支援システムを、新設のコンピュータシステム上に開発している途上にある。 なお、1,2の研究成果について、95年度夏に開催される生産関連国際会議で報告する予定である。
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