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脂質二重層に類似の層状結晶を用いた細胞膜の放射線損傷モデル

研究課題

研究課題/領域番号 06804018
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
研究機関山形大学

研究代表者

吉成 武久  山形大学, 理学部, 助教授 (60158483)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード細胞膜 / 放射線損傷 / 初期損傷 / プロトン移動 / 脂質ラディカル
研究概要

細胞膜の放射線損傷の初期過程を追跡するには,細胞膜を大量にしかも揃えて測定することが必要であるが,それは困難である.ところが,アルキルアンモニウム塩化カドミウムは大きな単結晶を作成でき,しかも脂質二重膜と類似のアルキルアンモニウムイオンを有し,細胞膜のモデル物質として利用できる.その部分に損傷を多数作り,それを電子スピン共鳴(ESR)によって検出し,細胞膜の放射線による初期損傷の受け方を調べた.
エックス線及びガンマー線を液体窒素温度で照射した上記の結晶には,塩化カドミウム部分に二原子分子イオン(Cl_2^-)ができ,そのESRシグナルがアルキルアンモニウムイオン部分にできる損傷と重なって複雑になる.しかし温度を200K以上にするとこの二原子分子イオンのESRシグナルが消失し,アルキルアンモニウムイオン部分にできる損傷のESRシグナルのみが検出できた.結晶の方位角を変えながら測定したところ,アンモニウム基から水素核(プロトン)が取れたラディカルが損傷としてできることが判った.つまりアルキル基の様な強い共有結合の部分ではなくて,イオン化したアンモニウム基部分が放射線損傷を受けやすいことが判った.このようなラディカルは膜の中では,脂質ラディカルとなり隣接した脂質と置換しながら,あるいは隣接した脂質のアンモニウム基のプロトン移動によってラディカル状態が膜中を移動し,膜中のイオンポンプ蛋白質に到達すると考えられる.そしてその脂質ラディカルはイオンポンプ蛋白質と反応してその立体構造を歪める.その結果,イオンポンプとしての機能に障害を起すものと考えられる.放射線を受ける面積は,膜の部分がイオンポンプの部分に比して大きいので,膜が受ける放射線損傷は重要である.

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] T.Yoshinari et al.: "Alkylammonium ion radicals in layered ionic crystals of (CnH2n+1NH3)2CdC14;n=1,2,3" Nucl.Instrum.& Methods. B91. 230-233 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2020-05-15  

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