研究概要 |
本年度の研究は以下のようになされた。 1.量子通信チャンネルを系統的に記述する方法論として、スピンコヒーレント状態を基礎にした。スピンコヒーレント状態は2入力系を扱うのに、最適である。 2.通信チャンネルの基礎的要素として、2入力・2出力の4端子網を導入した。受動素子(あるいは、媒質)の記述は、この空間における回転演算子の導入によって一般的になされる。 3.入力信号が、揺動媒質中を伝播する際の記述は、回転演算子の回転角及び回転軸がランダムな場合に対応する。観測量は、このランダムネスに関する平均操作を行ったものとなる。 4.以上の枠組を有する理論を構築した。その内容は、 (1)「日本物理学会」(秋の分科会)、於、静岡大学(1994年9月)、 (2)「量子情報と開放系」研究会、於、東京理科大学(1994年11-12月)、 (3)「日本物理学会」(年会)、於、神奈川大学(1995年3月)、 (4)Crypto‘95(International Association for Cryptographic Research,Aug.27-31,1955),California,USA, で、発表及び発表予定である。 5.以上の理論の基礎となる非平衡現象の理論が発表・出版されているので、雑誌論文リストに挙げておく。
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