研究課題/領域番号 |
06804021
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮地 孝 東京大学, 原子核研究所, 助手 (20013401)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 放射線検出器 / 放射線検出器の安定性 / シリコン-金属界面 / 界面の量子状態 / 不安定な量子状態 |
研究概要 |
Si(Li)型検出器に赤外光を照射して、その光電流(q)について、バイアス電圧(v)とエージング時間(t)に関する依存性を調べた。時間依存性について、qの時間微分dq/dtが指標となる。又光電流集積効率に関して、電圧微分(dq/dv)がとらる。これは検出器のコンダクタンスに比例する。先の実験においてdq/dv曲線中に、複数の離散的でエージング時間と共に低電圧側に移動する準位を認め、不安定な量子状態と仮称した。本研究ではこの不安定な量子状態の発生機構を調べる。この離散的準位はバルク効果でない。本研究では、赤外線照射装置を製作した。これにより、波長1150nm光を照射し、qの電圧及び時間依存性を長期間調べた。この結果、dq/dtに関して二種類の形態が存在することが分かった;dq/dt>0とdq/dt<0。前者をP-状態、後者をR-状態とした。検出器表面構成直後では、検出器はP-状態にあり、dq/dtはエージング時間と共に低電圧側に移動し、最低電圧に達すると反転して、高電圧側に移動する(R-状態)。P-状態では、dq/dtは、10日程度の時間特性で減少する。即ちエージングとはこの時定数で表面状態を不活性にする事に相当する。この間、検出器内部で生成された光電流を外部の電極に集積する過程で、表面にある非占有状態の寄与による敷居効果を反映して、離散的準位を示す。表面状態が占有されれば、エージングされた状態となり、検出器感度は安定する。しかし感度は一定せず、感度の時間変化率の小さいR-状態となる。C-V,I-V特性を加味して、R-状態とは表面状態が占有された状態である。又感度の変動は表面の酸化膜厚のわずかな増加によると考えられる。なお予測できなかった事に、電化集積効率の電圧依存性がバイアス電圧の増減方向により異なる結果が得られたが、この原因は分からない。
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