研究課題/領域番号 |
06804044
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
土江 秀和 大阪市立大学, 理学部, 講師 (30137187)
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研究分担者 |
市村 彰男 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (50047396)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 氷電極 / 液-液界面イオン移動 / 高吸水性ポリマー |
研究概要 |
安定性の高い再現性のよい氷電極を作成するために、いくつかの電極を試作したが、高吸水性ポリマーに測定溶液を含ませ、液体窒素中で急冷し作成した電極が、特に優れた性能を示した。 この電極を用い、水-ジクロロエタン界面での4級アンモニウムイオンやアルカリ金属イオンの移動を測定した。それによると、測定水溶液を含んだ高吸水性ポリマーが、常温では、一般的な方法によって得られるのと同じボルタモグラムを与えることが分かった。これは高吸水性ポリマー電極が液-液界面イオン移動の研究に利用可能であることを意味し、それによって液-液界面イオン移動の研究が飛躍的に簡単になることが期待できる。一方、-15℃の氷電極とした場合には、ピーク電流の劇的な減少と、半波電位の負側へのシフトが観測された。半波電位シフトの程度は、イオンの種類によって大きく異なり、それは水および氷中でのイオンの存在しやすさの違いに依存することが解った。 また、フェリシアネート/フェロセン系を用い、氷電極による酸化還元反応も詳細に研究した。その結果、イオン移動と同じく、ピーク電流の大きな減少と半波電位の負シフトが観測された。新たにコバルト(III)セパルクレート錯体の酸化還元反応を測定したが、吸着的で非可逆なボルタモグラムが得られた。酸化還元系については更なる検討が必要である。 研究実施計画にある氷電極のマイクロ化は、克服しなければならない問題点が幾つかあり、未だ十分な成果は上がっていない。しかしiRドロップの大きな氷電極の性質をより詳細に研究するためには電極のマイクロ化が必要で、それによってより大きな成果が期待できる。また、分光電気化学測定の導入も、特に吸着の起こりやすい系では重要となるだろう。
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