研究課題/領域番号 |
06805081
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平尾 俊一 大阪大学, 工学部, 教授 (90116088)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | レドックス / 酸素化 / オキシゲナーゼ / チロシナーゼ / 複素環系多座配位子 / 複合錯体 / 触媒 |
研究概要 |
反応場に対応し、配位様式が変化できる自由度を有した複素環系多座配位子を設計することで、遷移金属との複合錯体触媒のレドックス過程を円滑化することに成功した。とくに、分子状酸素による酸素化のための新規な触媒システムが構築できた。 1.複素環系多座配位子の設計と錯体形成 含窒素芳香族複素環からなるPodand型多座配位子を設計、合成した。複素環系多座配位子と遷移金属で構成される複合錯体を形成させたが、配位子の構造および遷移金属(とくに鉄、コバルト)の違いによって、錯体形成に差異が見られた。複合錯体の多座配位に基づいた挙動を分光学的および電気化学的手法で明らかにした。望むべき配位様式をとる錯体が形成できるかを分子軌道および分子力場計算の視点からも考察した。 2.複素多系多座配位子を用いる触媒的酸素化反応 酸素供与体として分子状酸素を用い、触媒的酸素化反応に適用し、上記の複合錯体の有用性を検討した。生物無機化学的立場より、新規非ヘム系オキシゲナーゼモデルおよびチロシナーゼモデルとして位置づけた。複素環部位の違いで錯体触媒の活性が異なり、ピリジン基およびイミダゾリル基を有するものが、それぞれに有効であった。複素環部位間のスペサ-の長さも大きく錯体触媒の活性に影響を及ぼした。さらに、複合錯体のレドックス過程を解明し、従来のモノオキシゲナーゼモデルとは異なった酸化系であることも明らかにした。 以上のごとく、複合錯体触媒による酸素化反応を合成手法としても確立できた。
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