研究課題/領域番号 |
06806008
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
堀口 毅 鹿児島大学, 農学部, 教授 (80024553)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | フェノール性化合物 / フェノール酸 / ソラマメ / オオムギ / カルシウム / ケイ酸 / 二次代謝 |
研究概要 |
1.ソラマメの子実が褐変するいわゆる「シミ症」について、カルシウム欠乏の可能性が考えられるため、カルシウム欠除がフェノール代謝に及ぼす影響について検討した。 8月8日播種したソラマメの植物を11月9日まで基準培養液で水耕栽培した後、翌年2月2日まで、培養液のカルシウム濃度について、高カルシウム区(Ca 2mM)、低カルシウム区(Ca 0.5mM)、カルシウム欠除区とに分けて水耕栽培した。一方、現地でシミ症の発生した植物についても比較を行った。いづれの区も外観上はあまり変らなかったが、カルシウム欠除区の種子にのみシミ症が胎座部を中心としたその周囲の種皮に発生した。シミ症の生じた細胞の細胞壁はフェノール代謝の産物であるリグニンが強く染色された。シミ症の生じた胎座部は維管束部分の形成が不十分でかつ褐変していた。 各部位のメタノール可溶部のカフェー酸、p-クマル酸、フェルラ酸、シナピン酸を高速液体クロマトグラフィーによって分析した結果は、35日間のカルシウム処理によってカルシウム欠乏症状の現れやすい上位葉のp-クマル酸が減少し、フェルラ酸、シナピン酸が増加した。また、現地で採取したシミ症の種子の生じた莢でも健全なものと比べてp-クマル酸が少なく、カフェー酸、フェルラ酸が多かった。 2.オオムギのマンガン過剰による褐変をケイ酸が軽減する機構を究明するため、オオムギをMn0.3および10.0ppm、ケイ酸添加区および無添加区を設けイネを栽培し、葉のフェノール酸を測定した。マンガン濃度にかかわらずケイ酸添加区では無添加区に比べてフェノール酸の含有率が低く、ケイ酸はフェノール代謝を抑制する作用があるものと考えられた。
|