研究課題/領域番号 |
06806012
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
中山 玲子 京都女子大学, 家政学部, 助教授 (60172483)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | Saccharomyces cerevisiae / Yeast / Platelet-activating factor(PAF) / Cell growth / Cell cycle / cAMP(サイクリックAMP) |
研究概要 |
血小板活性化因子(PAF)は、多彩な生理作用を有するリン脂質である。本研究では出芽酵母S.cerevisiaeにおけるPAFの生理作用を探索する目的で、細胞増殖との関連に焦点を絞り、以下の実験を行った。 1.細胞周期とPAFの産生 (1)細胞レベルによるPAF産生:同調培養した各細胞周期の酵母細胞をカルシウムイオノフォアA23187で刺激した結果、一倍体及び二倍体細胞ともにG1>M>S期の順にPAF産生量が高いことが判明した。 (2)PAF代謝関連酵素活性:ミクロソーム画分のPAF合成酵素、アセチルトランスフェラーゼ活性は、G1,M期に高かった。また、細胞質画分の分解酵素PAFアセチルヒドロラーゼ活性はS期に高かった。以上の結果は、(1)の細胞レベルでのPAF産生能と高い相関性を示した。 2.PAFによる増殖調節機構の解明 (1)PAFの細胞増殖への影響:PAF(10^<-6>M)を培養液に添加すると酵母の細胞増殖は阻害された。また、構造類縁体やPAFレセプターアンタゴニストを用いて検討した結果、PAFによる細胞増殖の阻害はPAF分子に特異的な生理作用であることが示唆された。(2)細胞内cAMPレベルへの影響:PAF濃度依存的(10^<-11>M〜)に細胞内のcAMP濃度が低下し、このPAFの作用は、アンタゴニストにより抑制された。(3)アデニル酸シクラーゼ活性への影響:PAF(10^<-6>M)で処理した酵母の細胞膜アデニル酸シクラーゼ活性を測定した結果、未処理のものの約10%に低下していた。また、PAF濃度依存的に本酵素活性が阻害されることも判明した。 3.結論 以上の結果より、PAFは出芽酵母の細胞増殖、特にG1期制御に関与していることが示唆され、更にその機能について検討中である。
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