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食道粘膜における化学発癌物質の直接的の発癌作用の証明

研究課題

研究課題/領域番号 06807034
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 衛生学
研究機関信州大学

研究代表者

那須 民江  信州大学, 医学部, 講師 (10020794)

研究分担者 青山 俊文  信州大学, 医学部, 助教授 (50231105)
研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワードシトクロムP450 / グルタチオンS-トランスフェラーゼ / 食道癌 / ポリモルフィズム / 喫煙 / 飲酒 / ベンツピレン / 代謝
研究概要

食道癌で外科的に切除された食道組織41例の発癌物質の活性化(P450)および解毒(GST)酵素の発現について検討した。1.シトクロムP450.CYP1A2/1はすべての組織に発現していた。しかも発現量は肝組織より多かった・また腫瘍部を含む組織のCYP1A2/1量は含まない組織より多かった。CYP2B6は約30%に発現し、その発現量はヒトの肝組織よりはるかに多かった。CYP3A4/3も多型的に発現していたが、この発現量はヒトの肝組織よりはるかに少なかった。CYP2E1とCYP2Cの発現は確認できなかった。2.ベンツピレンの代謝(AHH活性).食道組織のミクロソームにおいてAHH活性が認められた。この活性値は喫煙者において有意に高まったが、喫煙に飲酒習慣が伴った場合は非喫煙者との間に差が認められなかった。3.グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST).GSTM1は食道可溶性分画に多型的に発現していた。この発現は食道組織のDNA遺伝子解析と完全に一致しており、GSTM1遺伝子欠損者にはGSTM1蛋白の発現は認められなかった。GSTAの発現にも多型性が認められた。一方、GSTPはすべてのサンプルに発現していた。4.GST活性.1-クロロ-2,4-ジニトロベンゼンを基質としてGST活性を測定した。GSTM1遺伝子欠損者は保有者よりも低いGST活性値を示したが、有意差は無かった。喫煙。飲酒はいずれもGST活性値には影響を与えなかった。
以上の結果は、食道粘膜には化学発癌物質の活性化酵素や不活性化酵素が発現していることを示し、食道粘膜上で、このような代謝反応が直接行われることを示す。食道癌を引き起こす発癌物質はいくつか知られている。メチルn-アミルニトロサミンもその一つであるが、この物質はCYP1A1/2に親和性を持っていることが動物実験から明らかにされている。従ってヒトの食道でもこの物質が活性化される可能性があり、興味深い。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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