研究概要 |
心内膜下心筋虚血の発生メカニズムの詳細な解析には、10mgの微小領域レベルで心筋内血流分布を定量できる血統計測法と心筋貫通枝(100-400μm)の心周期中の冠血管径の変化を観察できる微小冠動脈枝撮影法を確立することが必要である。 平成6年度では、マイクロスフェア-による微小領域血流計測と微小冠動脈枝造影に関して、それぞれ5頭の犬で実験を行なった。微小領域血流計測の実験を行った5頭では、冠動脈枝内にかん流圧をモニターしつつ、Zr,Br,Y,Nbのいづれかををラベルした非放射性マイクロスフェア-注入し、空間分解能7-21mgレベルで微小領域血流の二次元マッピングを行った。この研究から血流分布の自己相似性と局所血流の類似性を確認した(H.Mori et al.,Circulation Ressearch,1995,in press)。微小冠動脈枝造影法に関しては、次世代型ハイビジョンカメラを利用することで、空間分解能を20-85μmに高めた。これにより心筋貫通枝の血管径の動的変化の評価などの詳細な検討が可能となった(H.Mori,Synchrotron Radiation News 7:27-29,1994)。今後はbaselineおよび冠かん流圧減少下での血流分布と微小冠血管枝造影から得られる冠血管径の変化との関連を検討する。
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