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癌細胞転移および移植細胞生着に必要な血管新生形成過程とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 06807094
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 外科学一般
研究機関東北大学

研究代表者

砂村 眞琴  東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10201584)

研究分担者 遊佐 透  東北大学, 医学部, 助手 (50250783)
角川 陽一郎  東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (60221173)
福岡 良博  東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (00134049)
研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
キーワード癌転移 / 血管新生 / 接着分子
研究概要

癌細胞と血管内皮細胞との接着そして組織内浸潤の複雑な癌移転メカニズムは、未だ明かにされていない。Fidlerらの研究によれば、癌細胞はまず血管内皮上でrollingを開始したのち血管内皮と強くadhesionし、ついで血管内皮間を通過して血管外へmigrationしていくと推察されている。その後さらに癌細胞が増殖していくためには、Liottaらが指摘するように血液の供給レートとなる新生血管の形成が必要不可欠である。しかしながら、これらの現象を生体内で経過を追って観察した報告はない。本研究では、マウス由来の大腸癌細胞(colon26)とリンパ腫細胞(RLmale1)をマウス門脈内に注入することにより肝転移を作製し、その転移巣形成過程を生体顕微鏡観察システムを用いて検討した。colon26を注入すると直後より一部の細胞はグリソンからジヌソイドにかけての部位でトラップされ、8時間後では腫瘍細胞周囲のジヌソイドの血流が消失した。2週間後に観察すると径1mm程の腫瘍では、血管口径の不正な新生血管が観察されたが、腫瘍をとりまくような血管のネットワークは認められなかった。一方、RLmale1を注入した場合には、colon26と異なり直後には腫瘍細胞の肝内でのトラッピングは認められなかった。しかしながら、5時間後ではジヌソイドの中間部を中心としてRLmale1の内皮への接着が確認された。腫瘍細胞の内皮への接着に関して、colon26では細胞が大きいため物理学的な要素が最初の接着に重要であったと考えられたが、RLmale1はcolon26と比較して大きさは小さく、血管内皮における接着分子の発現が関与している可能性が示唆された。また、腫瘍径が1mm程では血管新生の役割は少なく、腫瘍周囲血管における透過性の亢進が腫瘍の成長を補助していると考えられる。現在skinfold chamberを作成し腫瘍の移植を開始しており、新生血管の役割を明らかにする予定である。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Shibuya Kazuhiko: "Pancreatic microcirculation in caerulein pancrentitis in the rats -behavior of white blood cells and extravasation-" Microcirculation arrual. 10. 125-126 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Shibuya Kazuhiko: "Microciraulatory derangement in experimental acute pancreatitis:role of bradykinin and nitric oxide" Gastroenterology. 106. A323- (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 砂村 眞琴: "膵頭部癌切除症例からみた膵癌治療の現況と問題点" 病理と臨床. 12. 831-835 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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