研究概要 |
研究の進展状況と成果:1,補助的な肩関節運動の計測方法として開発した、上肢長と身体部位間の空間距離から肩関節の回旋角度を算出する関係式をパソコンで簡単に使えるようにプログラム化した。さらにこの関係式をグラフ化して図表上で回旋角度を見積もれるようにした。2,研究計画書を協同研究者への測定手順指示書として利用できるようにした。3,捻れ角度測定センサーと測定法法による誤差範囲と誤差を補正する方法の決定ならびに誤差の程度を見積もった。前年度のパイロット研究成果から(1)センサー自体の特性による誤差要因の確認、(2)肩関節回旋角度検出のための最適なセンサー貼付位置と貼付方法の標準化、(3)キャリブレーションの方法と捻れセンサーと測定法による誤差を補正する方法の開発とコンピューターによる操作手順を開発した。4,開発した測定方法とデータ分析ならびに補正方法をもちいて、(1)健常者を対象にしてパジャマ上着更衣動作時の必要肩関節回旋運動範囲と高頻度運動範囲についての知見を得た。(健常者のノ-ム)(2)スプーンでプリンを食べるときの必要肩関節回旋運動範囲と高頻度運動範囲についての健常青年の基礎データが得られた。5,当初の計画にあった各年代層やセルフケア障害者へ計測対象範囲を広げることは出来なかった。今回開発した方法で継続して調べてゆく必要がある。開発した測定方法を用いた健常者の動作データを収集することと平行して、健常者を対象に関節運動制限をシュミレーションし、セルフケア動作成立のクリティカル・ポイントを見いだす研究を継続する必要がある。さらに、セルフケア活動の種類を増やし、動作パターン毎に計測を行い健常者の基礎的データ(正常値)を集積する必要がある。 今回の研究で、未発達であった肩関節の回旋運動測定に対して、この開発した測定方法を使うと生活状況で長時間の測定が比較的簡便にできる可能性が示せた。
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