研究課題/領域番号 |
06807119
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
望月 一男 杏林大学, 医学部, 助教授 (70118892)
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研究分担者 |
小松 隆 杏林大学, 医学部, 助手 (00286410)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 化学塞栓療法 / シスプラチン粗結晶 / VX_2骨腫瘍 / 家兎 / 大腿骨 / 転移 / 肺 / 病理組織学的検索 / VX_<>骨腫瘍 / シスプラチン阻結晶 / 家免 / 肺転移 / 遠位骨幹端 |
研究概要 |
平成6〜7年度は、ヒト投与量の化学塞栓療法による肺転移抑制効果の検索を、未治療群、注射液動注群(動注群)、注射液静注群(静注群)の3群を対照として行った。この結果、未治療群では移植4週前後にすべての家兎は肺転移のため死亡した。これに対して動注群では5週前後、化学塞栓群は6週前後まで生存し、生存期間に差を認めた。死亡時の肺の肉眼所見は各群同様であったが、3週後の化学塞栓群では転移巣は粟粒大であり、米粒大以上の未治療群と比較して大きさは著名に減少していた。転移巣の個数・部位による差はなかった。病理組織所見では転移巣の大きさに比例して中心性のnecrosisがみられた。このnecrosisは、化学塞栓群の骨腫瘍部でみられた、阻血性変化を伴うfocal necrosisとは異なり、周囲に変性領域は認めなかった。以上より、肺転移抑制効果は化学塞栓群で最も大きかった。また、化学塞栓群では対照群と異なり肝転移を認めなかった。化学塞栓群では転移巣の大きさが著明に減少し、生存期間の延長がみられたが、死亡時の肺は3週後の未治療群と同一の所見を呈した。このため、化学塞栓群は未治療群の肺所見を時間的に遅らせたものであることが示唆され、CDDP粗結晶の徐放効果と考えている。 平成8年度は当初の予定を変更して、化学塞栓と放射線の併用療法による肺転移抑制効果の検索を、gelatin sponge塞栓群、放射線単独照射群の2群を対照として行った。この結果、移植後3週でgelatin sponge塞栓群、放射線単独照射群では、肺転移巣は粟粒〜米粒大程度であったが、化学塞栓と放射線の併用群では肺・肝転移を認めなかった。これは肺転移抑制効果が局所抗腫瘍効果に比例することを示唆するものであり、今後はより強力な局所抗腫瘍効果を求めて、化学塞栓と温熱療法の併用効果について検索する予定である。
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