研究課題/領域番号 |
06807123
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
長田 直人 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (90145425)
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研究分担者 |
近藤 修 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20253841)
高崎 眞弓 (高崎 真弓) 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (30094212)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | プロテインキナーゼC / 麻酔薬 / Protein kinase C / Halothane / Sevofluran / Isoflurane / 吸入麻酔薬 / Protein Kinase C / Sevoflurane |
研究概要 |
我々は吸入麻酔薬によるPKC抑制効果をin vivoで証明した論文(Nature,364:82,1993)を参考として本研究を計画した。我々の計画では、まずin vitroでのPKC測定実験系を確立し、ついで麻酔薬の作用機序を分子レベルで解析することを試みた。特にPKCには多様な分子種が脳神経組織に存在していることから、すでに確立されているcDNA発現システムを用いてPKC分子種による麻酔薬への反応性を検討した。しかし当初の我々の予想とは大きく異なり、PKC活性については再現性のある結果が得られず、我々が参考とした論文にあるハロセンのPKC活性抑制についても同じ結論は得られなかった。今回の研究が不成功に終わった大きな理由としては以下のことを考えた。 1.in vivo実験系とin vitro実験系による席酔薬効果の違い: 我々が参考とした論文は吸入席酔薬により平衡化した神経細胞におけるPKC活性を調べたものであったが、これは吸入麻酔薬の神経細胞への直接効果という証明は乏しいものであった。むしろ中枢神経という複雑なネットワークの一端をみていた可能性が十分考えられる。このことが単一細胞への遺伝子導入法では陽性対照のPKC活性抑制が認められなかった理由とも推測された。 2.細胞系譜および種差による麻酔薬感受性あるいはシグナル伝達系の違い: 吸入麻酔薬の作用細胞は神経細胞であり、この細胞におけるPKC活性が抑制されているというのが、本研究発案の基本になっていた。しかし、我々の実験系で用いた細胞は遺伝子発現の容易さからサル腎上皮細胞COS7であり、異種細胞でしかも神経細胞とはまったく異なる細胞系譜に属していた。このことから、神経細胞とサル腎上皮細胞の間には本実験を遂行するには大きな支障となりうるなんらかのシグナル伝達系の違いが存在していた可能性考えられた。 以上の問題点を考慮して、本研究の途中から我々はin vitro実験システムにその限界をも予測し、同時にin vivo解析も試みた。実際、ハロセン、セボフルレン等で麻酔導入したラットを用いて脳組織内PKC活性の測定も試みたが、これまでの論文とは異なりハロセンによるPKC活性抑制は認められず、むしろPKC活性は対照よりも亢進していた。セボフルレン処理はPKC活性を抑制する傾向が認められた。
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