研究課題/領域番号 |
06807129
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
宮崎 康二 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (50145322)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 子宮頸癌 / HTLV-I / EBV / HPV / 免疫能 / 予後 |
研究概要 |
Human Papillomavirus(HPV)は子宮頸癌発症と密接な関係を有すると考えられているが、発症までの詳細な過程についてはいまだ不明である。我々は、子宮頸癌発症・進展過程におけるHPV・Human T-cell leukemia virus type I(HTLV-I)・Epstein-Barr virus(EBV)の関与を明かにする目的で以下の研究を行なった。子宮頸癌患者の局所(子宮頸部・咽頭部)におけるEBVの感染状況を検索し、局所および全身免疫能と子宮頸癌臨床進行期との関係を調べた。infective assay法による局所拭い液からのfree virus検出・EBV感染陽性度・EBV-KT活性を測定した。EBVの検出率は、健常婦人14名中0名(0%)、子宮頸癌患者は19名中7名(36.8%)であり、両者のEBV検出率に有意差(P<0.05)が見られた。子宮頸癌臨床進行期別の内訳はI期16.7%、II期40.0%、III期60.0%、IV期100%であった。陽性度の平均は、臨床進行期I期・II期・III期・IV期でそれぞれ6.9%、21.7%、28.3%、75%であった。また、子宮頸部におけるEBV検出率と血中EBV-KT活性との間には、相関係数0.075と有意な相関が見られた。また、咽頭部においても臨床進行期の進展に相関して咽頭部でのEBV検出率・陽性度が高まる事が明かとなった。また、早期症例(I期・II期)においてもEBV-KT活性が低下していると、高頻度に転移が認められ、進行例(III期)において治療によるEBV-KT活性改善例ば見られ、EBV-KT活性改善例は予後も良好であった。 以上の事から、子宮頸癌患者には、子宮頸部・咽頭部でのEBV局所感染が健常婦人に比し高頻度に認められ、臨床進行期に相応して高頻度にEBVが検出されるようになる事が明かとなった。また、局所免疫と全身免疫は密接に相関している事も示された。また、EBV-KT活性は治療により変動し、患者予後と密接に関係しており、臨床進行期に匹敵する重要な予後因子であることが明かとなった(GYNECOLOGIC ONCOLOGY:in press)。
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