研究課題/領域番号 |
06808046
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
道下 敏則 京都大学, 総合人間学部, 助手 (00166050)
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研究分担者 |
前川 寛 (前川 覚) 京都大学, 人間環境学研究科, 助教授 (40135489)
川瀬 洋一 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (60027448)
田中 仁 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (90183863)
湯山 哲守 京都大学, 総合人間学部, 助手 (90026815)
毛利 明博 京都大学, 総合人間学部, 教授 (10025926)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1995年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 陽電子 / 凝縮系 / プラズマ / モンテ・カルロ・シュミレーション / 分子動力学 / 陽電子凝縮系 / 超高磁場 / 長時間閉じ込め / 相関パラメータ / サイクロトロン放射減衰 / ペニング型閉じ込め / ライナック / モンテカルロ法 |
研究概要 |
陽電子凝縮系の物性研究の結果、以下のような研究結果を得た。 1)大量の低速陽電子を生成するため、電子ビームLinacを用い、対創生機構を利用し陽電子を生成した。生成したよう電子は磁場ガイドで閉じ込め領域まで輸送し、希ガス固体により減速し、室温程度に減速したものを閉じ込めた。閉じ込めた陽電子数は〜10^6個程度であった。 2)この時用いた減速材の希ガス固体と陽電子の相互作用についてモンテカルロシュミレーションを行い、エキシトン励起が陽電子のエネルギー緩和にとり重要な効果を持つことが明らかとなった。 3)超高磁場(8テスラ)中で陽電子の長時間閉じ込めをおこなった。陽電子源として3.7MBqの^<22>Naを用い、そこから放射される陽電子を50μmの厚さのBe膜を通して蓄積領域に入射した。蓄積された陽電子数は2.7×10^5個となる。陽電子は古典的プラズマの特性を示し、室温以下の温度特性をもつに到らなかった。これはプラズマ内での種々の揺動とともに磁場や電場の非均一性などの影響によると考えられる。 4)超高磁場中(陽)電子群の運動を分子動力学法(Molecular Dynamics Method)を用いてシュミレーションをおこなった。その結果、a)軸方向の変位の二乗平均は磁場の強さに依存しなく、時間が十分経過した場合はほぼ直線的に増大すし、液体的であることを示すものである。他方、径方向のそれは、時間経過後、ほぼ一定となる。即ち、固体的様相を示す。b)強磁場中の凝縮系(陽)電子群はウィグナーザイツ半径はγ_s≫10で金属の伝導電子のそれ(γ_s≪1)に比べ十分に低密度(γ_s≫1)であり、Τ〜1ΚでΓ〜100となり、ポテンシャルエネルギーが運動エネルギーに比べ十分に大きくなることがわかった。 以上の研究結果から陽電子凝縮相の形成には冷却法が決定的に重要であり、極低温の環境体(例えば、超流動ヘリウム)のなかに陽電子を閉じ込めるが必要がある。
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