研究課題/領域番号 |
06833008
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
老化(加齢)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
熊崎 努 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (20161698)
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研究分担者 |
浜田 勝友 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (00136144)
三井 洋司 工業技術院, 生命工学工業技術研究所, 首席研究官
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 細胞老化 / 血管内皮細胞 / フィブロネクチン / 転写因子 / ゲルシフト / スーパーシフト / 遺伝子発現制御 / 線維芽細胞 |
研究概要 |
ヒトのフィブロネクチン遺伝子の上流約500塩基の領域については、その塩基配列が決定され、3つのcAMP応答部位(CRE)を始め幾つかの転写因子が結合する配列の存在が示されている。その中に10カ所の転写因子結合部位の存在が指摘されているので、各々20-30塩基の合成DNAを作成し、それらをプローブとして血管内皮細胞の核抽出液を用いてゲルシフト法により分析した。その結果:1) Sp1は老化による影響を殆ど受けない。2) TREへのAP-1の結合は老化細胞において約半分に減少している。3)-170CREと-415CREに結合する蛋白質の量は、老化細胞においてやや減少する。一方、-260CREに結合する蛋白質は-170CREや-415CREに比べて量的に少なく、また両者とは全く異なるバンドパターンを示し、老化細胞においてやや増加を示すバンドが観察された。4)抗c-Jun抗体を用いて調べた結果、TRE、-170CRE、-415CREについてスーパーシフトが観察され、これらの部位にAP-1が結合していることが示された。スーパーシフトバンドの強度は、老化細胞では半分以下であることが示された。一方、-260CREにはAP-1は結合しない。5)抗CREB1抗体を用いて調べた結果、CREB1は-170CREと-415CREには結合するが、TREと-260CREには結合しないことが示された。CREB1の結合量は老化に伴いあまり変化しない。従って、-170CREと-415CREに結合する蛋白質の量が老化細胞においてやや減少するのは、CREB1ではなくAP-1の結合が減少するためと解釈された。以上のほかに、TATA結合蛋白質、CAAT結合蛋白質、AP-2等に、老化に伴ってやや増加するバンドが観察された。こうした変化が老化に伴うフィブロネクチン遺伝子の発現亢進を導いている可能性がある。
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