研究課題/領域番号 |
06833016
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
老化(加齢)
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
金子 孝夫 (財)東京都老人総合研究所, 老化科学技術研究系・アイソトープ部門, 研究員 (80100113)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 老化 / 酸化傷害 / 酸化的ストレス / DNA / ヒドロキシデオキシグアノシン / 過酸化脂質 |
研究概要 |
DNAの酸化傷害の蓄積について、ラットを用いて2から30月齢の範囲で脳、心臓、肝臓、腎臓の核DNA中の8-ヒドロキシデオキシグアノシン量の変化を調べた。2から12月齢まではいずれの臓器においても8-ヒドロキシデオキシグアノシン量に有意な変化は認められなかった。肝臓、腎臓、心臓では24月齢になると8-ヒドロキシデオキシグアノシン量は増加傾向を示し、27月齢では有意に増加した。脳では、27月齢まで変化はなかったが、30月齢では増加を示した。従来考えられていた直線的な蓄積ではなく、老年期に入ってから増加が始まるという結果が得られた。また、臓器間では脳や心臓が肝臓や腎臓よりも8-ヒドロキシデオキシグアノシン含量が高かった。食餌制限ラットについて8-ヒドロキシデオキシグアノシン量を測定したが、自由食群に比べて低下していなかった。寿命の延長はみられたが、隔日給餌法では空腹などによるストレスが影響してくるのかもしれない。一方、リン脂質過酸化物(ホスファチジルコリンヒドロペルオキシド)の老化に伴う変動をヒト線維芽細胞を用いて測定した。分裂速度が低下し、サイズの大きな細胞が増えてくる細胞寿命の終盤に、リン脂質過酸化物が増加してくることを見いだした。DNA中の8-ヒドロキシデオキシグアノシンの蓄積が老年期になってから起こるという結果は、生体内のヌクレアーゼやグリコシラーゼのような修復酵素の活性低下が酸化傷害の蓄積の原因であることを示唆している。今後、修復系の活性を調べる方法を考え、その点について検討してみたい。また、リン脂質過酸化物の老化による蓄積に関しては、年齢の異なった供与者からの皮膚線維芽細胞やラット臓器(2から30月齢:肝臓、腎臓、皮膚)の試料はすでに冷凍保存しているので、今後測定していくつもりである。
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