研究課題/領域番号 |
06834016
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化財科学
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研究機関 | (財)元興寺文化財研究所 |
研究代表者 |
増澤 文武 (財)元興寺文化財研究所, 保存科学センター, センター長 (90072793)
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研究分担者 |
米田 憲司 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (10027443)
尾崎 誠 (財)元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 主任 (50224209)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 青銅器 / 鉄器 / 中性子ラジオグラフィ / X線ラジオグラフィ / 絹 / 和紙 / 文化財 / 非破壊検査 |
研究概要 |
1、出土金属製品のモデルとして、青銅製品の原料:銅、鉛、錫ならびに鉄について厚みの異なる板を用意し、X線、熱中性子、ならびに冷中性子ラジオグラフィを実施した。その画像の濃淡をイメージスキャナーでとらえ、厚みと濃淡の関係をグラフ化した。この結果から青銅の成分比と画像の濃淡の関係を明らかにした。あわせてこの金属に絹の布として羽二重を、和紙の例として黒谷紙(楮紙)を折り畳んで厚みの異なるものを用意して重ね、それによって出来る画像の濃淡から同様の処理を行い、青銅または鉄に有機物の絹布と紙の画像が得られる条件を検討した。また、鉄の出土品の例として、マグネタイトとゲ-タイトの結晶を厚みの異なるサンプルに切断研磨して、その画像ならびに上述のような布と紙を重ね、その画像の濃淡から厚みと画像の濃淡の定量化を求めた。 2、実際の遺物としては、京都府の丹後半島から出土した青龍三年銘方格規矩四神鏡のX線と中性子ラジオグラフィを実施して、表面の布目は有機物の布が残っているものではなく、鉱物質により布目の形態を維持しているものであること、鏡面の傘蓋状の膨れの内部がX線ラジオグラフィでは回りより濃度が濃いが掴みにくい。それに対して中性子ラジオグラフィの像は明らかに薄く鮮明であり、両者の結果から内部に酸化され、粉状になった錆によるものと推定された。福岡県甘木市三奈木大仏山遺跡出土青銅製経筒は、すべて包まれており内部観察が出来ないが、経巻が崩れて内部に散乱しており、経巻の軸が崩れ残存していること、経筒に文字または記号が凸状に鋳込まれていることが判明した。
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