研究課題/領域番号 |
06834018
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化財科学
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研究機関 | 奈良県立橿原考古学研究所 |
研究代表者 |
今津 節生 奈良県立橿原考古学研究所, 室長 (50250379)
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研究分担者 |
肥塚 隆保 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 室長 (10099955)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | オートクレイブ / 脱酸素水 / 腐食抑制剤 / ベンゾトリアゾール:BTA / 脱塩処理 / 鉄製品 / 青銅製品 / 金属遺物の脱塩 / 高温高圧脱酸素水 / インヒビター / ベンゾトリアゾール / 錆の安定化 / イオンクロマトグラフ |
研究概要 |
私達は金属遺物に浸入した塩類を除去するための新しい方法を提案した。この方法は腐蝕抑制剤を添加した高温高圧状態の脱酸素水を使って金属遺物を洗浄する方法である。この方法は従来と比較して処理期間の大幅な短縮を可能にする。しかも、廃液処理や金属に残存する薬品の除去を必要としない。さらに、この方法は多種の金属遺物に対して洗浄が可能である。また、この方法を使って実際の遺物から溶出した可溶性の塩類を定量的に測定した。その結果、遺物から溶けだした可溶性の塩化物イオンと硫化物イオンに大きな差があることが判明した。 新たに開発した脱塩システムの特徴は以下のように要約することができる。 1.高温高圧の脱酸素水が、表面張力や粘度の低下によって錆の微細な隙間まで到達し、遺物の内部に分布する可溶性の塩類を溶出させる。 2.高温水を使用するために、樹脂処置した遺物もそのままで脱塩処理が可能であり、以前に処理せずに樹脂含浸した遺物の再処理にも有効である。 3.洗浄時間が従来よりも大幅に短縮できる。そのために保存処理全体の期間が短縮できる。 4.BTAなどの腐食抑制剤は乾燥後も錆の安定化剤として働くことが期待される。 5.BTAは比較的安全な腐蝕抑制剤(LD50=560mg)であり銅・銀・鉄などに対して防錆効果がある。
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