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A_2BX_4型ハロゲン化合物の合成とその強誘電性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 06854012
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
研究機関いわき明星大学

研究代表者

清水 文直  いわき明星大学, 理工学部, 助手 (20206212)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード強誘電体 / 相転移 / ハロゲン化合物 / α-β相転移 / Sr_2GeS_4構造 / β-K_2SO_4構造
研究概要

本研究は、A_2BX_4型で単斜晶系Sr_2GeS_4構造(α状態)をとる物質の中から、AサイトにKを持つ物質の単結晶育成を試みた結果、K_2ZnI_4とK_2CoI_4の2物質の強誘電性を発見するに至った。K_2ZnI_4とK_2CoI_4のキュリー点、Tcはそれぞれ270Kと250K付近に存在し、AサイトにRbを持つ、Rb_2ZnI_4とRb_2CoI_4の相転移点(この転移点がTcに相当するものと考えられている)はそれぞれ62.4Kと30Kに存在する。本研究はRb塩と強誘電体のK塩との比較により、Aサイトを、大きくて重いRbから、小さくて軽いKに置換することにより、Tcは高温側へシフトする、という経験則を明らかにした。また、Bサイトの、ZnからCoへの置換が、Tcを下げる傾向があるということ、また熱分析により、K_2ZnI_4にはα-β相転移が存在しないことを明らかにした。さらに、Rb_2ZnI_4K_2ZnI_4の混晶である(Rb_<1-x>とK_x)_2ZnI_4の単結晶を育成し、混晶系のそれぞれの比率での誘電率の温度依存性の一覧を完成し、上記の、RbからKへのAサイトの置換がTcを高温側へシフトさせる、という経験則が明確となった。その他、Aサイトを、さらに重いTlに、XサイトをIより小さくて軽いBrに置換した、Tl_2ZnBr_4とTl_2CoBr_4の単結晶を育成し、α状態ではTc(便宜上こう呼ぶ)がほぼ18Kに存在し、α-β転移と思われる熱異常を470K付近に見い出した。さらに、K_2ZnBr_4などと同様に、β状態(斜方晶系、β-K_2SO_4構造)からの過冷却が可能であることも分かった。これで、α-β相転移を持ち、β状態が過冷却可能であり、しかも強誘電性を示す可能性のある物質群は、K_2ZnBr_4、K_2CoBr_4、Rb_2MnI_4、Rb_2ZnI_4、Rb_2CoI_4、Tl_2ZnBr_4、Tl_2CoBr_4の7物質となり、今後もこのような物質探索が望まれるところである。
以上、K_2ZnI_4とK_2CoI_4の強誘電性については、J.Phys.Soc.Jpn.に論文公表済みであり、上記の混晶系(Rb_<1-x>K_x)_2ZnI_4とTl塩の研究結果については、1994年日本物理学会秋の分科会(於:静岡大学)の誘電体分科で既に報告済みであることを付記しておく。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] F.Shimizu et al.: "Ferroelectricity in K_2ZnI_4" Journal of Physical Societey of Japan. 63. 437-440 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] A.Anzai et al.: "Ferroelectricity in K_2CoI_4" Journal of Physical Societey of Japan. 63. 3905-3906 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] F.Shimizu et al.: "Dielectric Properties of Tl_2ZnCl_4" Ferroelectrics. 158. 181-186 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] F.Shimizu et al.: "Phase Transitions in Rb_2BI_4(B=Mn,Fe)" Ferroelectrics. 158. 199-204 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] F.Shimizu et al.: "Phase Transitions at Low Temperatures in A_2BX_4-Type" Ferroelectrics. (掲載決定済み).

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] F.Shimizu et al.: "Tiem-Dependent Phase Transition in K_2ZnBr_4" Ferroelectrics. (掲載決定済み).

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2020-05-15  

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