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二価有機セレンが関与する特異な水素結合のキャラクタリゼーション

研究課題

研究課題/領域番号 06854029
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 有機化学
研究機関東京大学

研究代表者

岩岡 道夫  東京大学, 教養学部, 助手 (30221097)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードセレン / 水素結合 / 超原子価 / 軌道相互作用
研究概要

C-H・・・Se水素結合の特異性(構造上の特徴および化学的性質を明らかにし,有機セレンの酸化還元特性におけるその役割について新しい知見を得ることを目的として,種々のモデル化合物を合成した。8員環状の新規化合物6H,12H-ジベンゾ[b,f][1,5]ジセレノシンにおいて,C-H・・・Se水素結合の存在をX線構造解析や赤外分光法,核磁気共鳴法により確認することができた(J.Am.Chem.Soc.に報告)。この化合物では,セレンと水素の原子間距離がファンデルワールス半径の和より短く,赤外スペクトルにおいてC-H伸縮振動の吸収が短波数側にシフトしていた。更に,NMRスペクトルにおいてセレンと水素の間に約30Hzという大きなスピンカップリングが観測された。しかし,この化合物についてはC-H・・・Se水素結合の安定化エネルギーを動的NMR法により定量的に評価することはできなかった。重水素で同位体標識した化合物および他の同族元素(O,S,Te)を含む類似体の合成についても検討を行った。これらのうち,C-D・・・Se水素結合については本年春の日本化学会春季年会で発表を予定している。その他のモデル化合物については,NMRによりセレン-水素間のカップリング定数の測定を行ったが期待したような大きな値は得られなかった。このことから,セレンと水素の原子間距離がただ近いだけでは上記のような水素結合に特徴的な性質は現れないことがわかった。ab initio分子軌道計算によると,C-H・・・Se水素結合のエネルギーは〜1kcalと小さく,普通の水素結合に比べ軌道相互作用の寄与が重要であることがわかった。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Michio Iwaoka: "First Observation of a C-H・・・Se"Hydrogen Bond"" J.Am.Chem.Soc.116. 4463-4464 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Michio Iwaoka: "A Model Study on the Effect of an Amino Group on the Antiuxidant Activity of Glutathione Peroxidase" J.Am.Chem.Soc.116. 2257-2561 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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