研究概要 |
当初、掲題の間接電解反応について検討を行なう予定であったが、研究代表者の移動に伴い、ビスマス(III)塩の3価-5価間のレドックス用いたメディエーターシステムの構築とその有機合成への応用という課題で検討を行なったので、その成果について報告する。 1.各種ビスマス(III)塩および錯塩の合成 ビスマス(III)塩としてBi[N(SiMe_3)_2]_3,Bi(CH_2SiMe_3)_3,を合成し、また、その錯塩としてハロゲン化ビスマス(III)、硝酸ビスマス(III)とクラウンエーテル、エチレングリコールオリゴマー、ピリジン、ビピリジン、1,10-フェナントロリン、テトラフェニルポルフィリンとの組み合わせで合成を行なった。 2.各種ビスマス(III)塩および錯塩をメディエーターとする酸化反応の検討 酸化反応としては最初ヨードシルベンゼンを共酸化剤とする無置換オレフィンのエポキシ化について検討を行なったが、いずれのビスマス化合物においても目的生成物は得られなかった。次にアルコールの酸化について、同様の反応条件で検討を行なったところ、未だ満足できる値ではないものの、塩化ビスマス(III)-ピリジン錯体においてターンオーバー4〜5で酸化生成物が得られている。 3.機構的考察 合成した各種ビスマス(III)塩および錯塩についてサイクリックボルタノグラムを測定し、その酸化電位および触媒反応への適性を検討した。
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