研究概要 |
カキの形質転換体の作出方法としてエレクトロポレーションによる直接遺伝子導入法を用いた.供試材料には‘次郎'のカルスより単離したプロトプラストを用い,レ-ポーター遺伝子としてGUS遺伝子を導入した.この際,遺伝子導入の最適条件をエレクトロポレーション24時間後の一過性発現を調査するトランジェントアッセイにより検討した. 検討項目としてプロトプラスト懸濁液中の塩化カルシウム濃度,プラスミド添加濃度,印加電圧,キャパシタンス,及びエレクトロポレーション前の温度処理効果を調査し,それぞれ最適条件を得ると同時に至適タイムコンスタントが明らかになった.またトランジェントアッセイと同時にエレクトロポレーション直後の細胞生存率をFDA染色によって調べ,GUS活性に生存率を加味することでカキにおける遺伝子導入の最適条件を決定することができた. この条件で処理したプロトプラストをアガロースビーズ培養した場合,無処理区に比べ生育が著しく劣ったため,ナ-ス培養(無処理区のアガロースブロックを使用)を試み,良好な結果が得られている. 今後これらの培養を続け,形質転換カルスを選抜し,植物体再生を試みる予定である。
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