一般的に斜面の強度は植生が多いほど高くなるように考えられている。しかし、それは降雨の影響の受けやすさ等を同時に考えてしまうため、植生密度に対する正等な評価とはならない。そこで、植生を1つの粒子と見たてて、粒子のフラクションに対する空間的連続性をコンピュータシミュレーションによって調べた。シミュレーションには、物質や情報の伝達特性を、伝達媒体の空間的な存在確率とその配置のバリエーションから調べるパーコレーション理論を用いた。200×200の二次元正方格子上に大きさの異なる3種類の植生に見たてた粒子をランダム配置させ、これを2000回繰り返した。このシミュレーションの結果から、大小の粒子の混合比によって独特のパーコレーション特性があることが分かり、植生に対しても、注意が必要であることがわかった。 また、大型土圧計と間隙水圧計を現地の埋設し、常時測定を行なっている。これらは、まだ観測点が少ないため、ある傾向的な結果しか得られていないが、明らかに、植生分布との関係があった。 シミュレーションによる結果時、既に論文にまとめられている。
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