研究概要 |
この研究は,機械の目による認識のアルゴリズムを開発し,それを機械の知能化における支援システムとしての情報計測システムとして構築することを目指したものである.ここでは,特にワークセルロボットに用いられることを前提とし,ロボットの目としての認識する形状情報における特徴を空間周波数領域でとらえ,その情報を認識への利用情報とすることを試み,その可能性と問題点について検討を行った.具体的には機械が植物体の形状を認識する方法として,植物体の形状を画像計測による2次元情報のパターンとして,認識できるように特別な座標系(極座標系)への変換処理と2次元FFT処理を中心に,形状情報を単純化し,クラスター分けを行うアルゴリズムを組み立てた.ハードウェアの構成は,マシンビジョンシステムにおける目の動きを機能するための画像入力システムとして,ロボットモデル(三菱電気(株):ム-ブマスターEX RV-M1),CCDモノクロカメラ(ピアス(株):PX-380)を基本に,認識用の計算機および画像入力ボードを加えて構成した.また,ソフトウェアの構成は,次のことを基本として,物体の認識アルゴリズムの開発を行った.物体の形状をパターンとして認識するためには,その大きさ,位置,方向が異なる場合でも,同じ図形ならば同じ形状として認識しなければならない.そこで形状に関する大きさ,位置,方向の情報を標準化あるいは正規化することにより形状認識を試みた.大きさについてはその画素数からズ-ミング処理を,,置については2次元FFT処理あるいはモーメントからの重心演算処理を,方向情報については角度方向と半径方向を2次元とする極座標変換後に2次元FFT処理を適応させた.その結果,単純な図形については,これらの処理が有効であることが確認できた.しかし,複雑な図形については画素数の問題もあるが,クラスタ分けができる程の十分な精度が得られなかった.
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