研究概要 |
本年度照射線放射後の微量元素動態と病理組織学によるApoptosisとの発生率の相関関係について検討した。 放射線照射後の微量元素動態:微量元素動態はCa,Mg,Mnについて検討した。 Caは照射3時間後および照射12時間後に有意の上昇を示し、Mgは照射6時間後にピークを持つ、照射3時間後〜48時間後における有意の上昇を示した。Mnについては、照射前ではそのスペクトルが観察不能であったが、照射後にスペクトルが観察可能となり、その最大値は照射48時間後に認められた。 病理組織状のApoptosisの発生率:Apoptosisの発生率は照射3時間後より増加し、照射6時間後にその最大発生率を呈した後、速やかに減少し、照射24時間後には照射後における最小発生率に変化した。照射24時間後〜48時間後の間ではApoptosis発生率の増加傾向が認められた。 微量元素動態-Apoptosisの発生率間の相関関係:Caの照射3時間後とApoptosis発生率との強い相関関係、およびその後の経時的観測点でのMgとApoptosis発生率との強い相関関係を認めた。これより、CaがApoptosisのinitializeを示し、その後、MgがApoptosis発生率を示すマーカーである可能性が強く示唆された。但し、MnとApoptosisとの相関においては特記すべき関連性は認められなかった。
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