β-フェニルエチルアミン(PEA)は覚醒剤と同様の重要な行動薬理学的作用を示すにもかかわらず、PEAレセプターに関しては、これがPEAに特異的な結合部位であるらしく、蛋白質であることを示唆する報告が1982年に認められる以降に報告は見あたらない。1)ラットの脳よりmRNAを抽出し、逆転写酵素でcDNAを合成した。2)GTP結合蛋白質関連レセプター群において保存された核酸の配列、特に第3膜通過部分、第6膜通過部分および第7膜通過部分をもとにオリゴヌクレオチドをDNA合成機により合成した。3)1)で得た1st strand cDNAを鋳型とし、2)で得た第3、7膜通過部分の混合オリゴヌクレオチドをプライマーとしてPolymerase chain reaction(PCR)法を用いて、遺伝子増幅を行った。4)これより得られたDNA断片をMung bean nuclease(一本鎖DNAの除去)、T4 DNA polymerase(末端の平滑化)、およびT4 polynucleotide kinase(5^1-末端の燐酸化)で処理し、PCR産物のライブラリーを作成した。5)2)で作成した第6膜通過部分の混合オリゴヌクレオチドをプローブとして4)で作成したライブラリーをハイブリダイゼーションの条件を変えてスクリーニングしたところ、一次スクリーニングにて数個のポジティブプラークを得た。今後、さらに二次スクリーニングを行い、ポジティブクローンの核酸配列を調べる予定である。
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