内因性ぶどう膜炎患者および健常人から採血をし、リンパ球から蛋白質を分離し、内在性レトロウイルスの遺伝子産物が存在するかを調べた。IITLV-1のgagに対するモノクローナル抗体を用いてウェスタンブロット法を行ったところ、患者、健常人とも陽性所見を示す者がみられた。次に、内在性レトロウイルスがひとDNAの中に組みこまれているかを調べた。リンパ球からDNAを抽出し、IIRES-1等のプライマーを用いてPCRを行った。アガロースゲル電気泳動で見たところ、患者、健常人とも複数のバンドがみられた。これらのバンドが本当に内在性レトロウイルスに関係しているものなのかを現在解析中である。また、内在性レトロウイルスが実際に何らかの蛋白を発現しているかが重要であるが、それをPT-PCRにて検討している。リンパ球からRNAを抽出し、HRES-1、IRF-1、IRF-2、SMT-1、25ASなどのプライマーを用いて、RT-PCRを行っている。これまでのところ陽性所見は得られていないが、内在性レトロウイルスが発現しているとすると病変局所で発現している可能性が高い。今後、病変局在部位の組織を用いてRT-PCRを行うために準備を進めている。
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