1.ウズラ骨髄骨における酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAP)の発現と構造解析 TRAP種間共通プライマーを作製し、産卵ウズラ(LJQ)、エストロジェンを投与して骨髄骨形成を誘導させた雄ウズラ(EJQ)、および何も投与していない雄ウズラ(JQ)の骨髄および骨髄骨より全RNAを抽出しRT-PCRを行い増幅産物の定量的解析を行った。TRAPに相当する増幅産物は、EJQからもLJQよりは少ないがTRAP増幅産物を得ることができ、JQについてはわずかしか検出することができなかった。EJQについては骨髄骨形成期にあるので骨芽細胞が多く、従って今回の結果からウズラ骨髄骨においてTRAPは破骨細胞のみならず骨芽細胞においても発現されていると考えられた。さらに、LJQおよびEJQの増幅産物を構造解析したところ既存TRAPと非常に高いホモロジーが得られた。 現在、組織学的にウズラ骨髄骨切片でのTRAP発現細胞を同定するため、TRAPcDNA断片をプローブとして用いin situハイブリダイゼーション法により解析を行っている。 2.骨芽細胞株におけるTRAPの発現とDNA構造解析 マウス骨芽細胞株MC3T3-E1におけるTRAPの発現について1同様RT-PCRにより解析を行ったところTRAPに相当する増幅産物を得ることはできなかった。しかし、最近リンパ系細胞においてTRAPの中に構造が異なる複数のグループが存在することを示唆する報告があり、MC3T3-E1細胞における同様の可能性について検討中である。
|