1)ヒトAhレセプター遺伝子を単離するために、ヒトAhレセプターcDNAをプローブとしてCharon4Aヒトゲノムライブラリーをスクリーニングした。スクリーニングの結果、2個の陽性クローンを単離した。得られた2つの陽性クローンの中で、5'上流領域を含むクローンλF2-45のEco RI断片をpUC18ベクターに組み込んだpUCF2-45を作製した。このプラスミドを用いて、5'上流領域を-1599までの塩基配列を決定した。Ahレセプター遺伝子は8個の転写開始点を有しており、その5'上流配列は、TATA boxが欠けていたが、一方複数のGC boxが存在しており、典型的なhouse keeping geneの構造を取っていた。Ahレセプター遺伝子の転写誘導が多環芳香族炭化水素である3-メチルコラントレンで起こるか否かをHep G2細胞で検討したところ、CYP1A1遺伝子の転写誘導は起こったが、Ahレエプター遺伝子の転写誘導は起こらなかった。 2)Ahレセプターの転写活性化領域を調べるために、Gal4のcDNA結合領域とAhレセプターのN末端からの欠損させた遺伝子とを融合したキメラ遺伝子を作製して、CATアッセイを行った。その結果、N末端から221番目のアミノ酸よりC末端部分に転写活性化領域があると考えられた。非常に興味深いことに転写活性化領域として知られているglutaminrich regionを取り除いても、この転写活性は残存していることより、新たな転写活性化領域がC末端129の間にあると予測された。
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