研究概要 |
本研究は気道粘液のcDNAのクローニングを目的としてスタートした。本研究に用いたハムスター気道上皮細胞は粘液を産生し、その分泌が蛋白燐酸化酵素Cによって調節を受けていることを明らかにした(American Journal of Physiology,267,L526-530,1994)。次に本細胞及び精製した粘液を用いてモノクローナル抗体の作製を試みた。抗原として細胞を用いた際、有用な抗体を得られなかったが、粘液に対する抗体の中にcDNAのクローニングに用いることができそうなものを見いだした。その性質などについて検討した結果、種族間及び臓器間において交差性を示した。本研究から派生した研究結果の一つは、粘液の定量法、すなわち、この抗体を用いたELISAを確立したことである。今後、この抗体を用いて、粘液に関する研究をさらに発展させていく予定である。
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