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不活性X染色体の複製時期を支配する因子

研究課題

研究課題/領域番号 06857182
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 人類遺伝学
研究機関北海道大学

研究代表者

吉田 郁也  北海道大学, 遺伝子実験施設, 助手 (90240275)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード不活性X染色体 / マウス / 晩期複製 / 早期複製 / 胸腺リンパ腫 / 胚性腫瘍細胞 / 微小核細胞融合法 / XIST
研究概要

早期複製型不活性X染色体を持つマウス胸腺リンパ腫細胞MTLB3にマウスやヒトのX染色体を微小核細胞融合法で導入する試みは失敗に終わった。この原因は不明であるが、他の胸腺リンパ腫由来細胞株へのX染色体の導入もことごとく不成功に終わったところからみて、付着性の細胞の場合とは異なり、浮遊細胞への単一染色体の導入は難しいのかも知れない。
しかし、予備実験の段階で行ったヒト不活性X染色体のマウス胚性腫瘍細胞(EC)への導入実験から、研究は思わぬ方向に展開した。用いたECは、XOの性染色体構成をもつPSA-TG8とOTF9-63の2株で、これらのECに、マウスやその近縁のげっ歯類の体細胞を融合すると体細胞由来の不活性X染色体が再活性することが明らかになっている。また、再活性化が起こった雑種細胞を分化させると数本あるX染色体がランダムに再び不活性化する。他方、ハムスターやヒトなどの細胞をこれらのECに融合しても雑種細胞は得られない。
微小核細胞融合法により、1本のヒトX染色体を持つクローンが両ECあわせて20クローン単離できた。いずれのクローンでも、導入されたヒトX染色体は他のマウス染色体と同調的に複製するようになっており、その上に存在するX連鎖遺伝子の発現も回復していたため、ヒト由来の不活性X染色体の再活性化が起こったと判断した。しかし、驚いたことに不活性X染色体からのみ発現すると考えられていたXIST遺伝子の発現がこれらの再活性化したヒトX染色体で認められた。この事実は単にXIST遺伝子が発現しているだけでは不活性化が起こらないことを示している。更に、レチノイン酸処理など、種々の方法でこれらのクローンに細胞分化を誘導したところマウスのXist遺伝子の発現が誘導された。また頻度は極端に低いが、マウスのX染色体に再不活性化が起こっていることも明らかになりつつある(以上、投稿準備中)。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Ikuya Yoshida: "Cell fusion-induced quick changa in replication time of the inactive mouse X chromosome an implication for the maintenance mechanism of late replication" The EMBO Journal. 12. 4397-4405 (1993)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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