本研究は、短期間で効果的に、教師を目指す学生および現職の教師に、AVメディア活用能力を育成するプログラム案を次の2点から検討した。 1、実技試験項目間のクラスター分析 まず撮影技術においては、パンニングとアングル、広角と望遠というカメラワークに関わる2項目を中心に指導していくことが、その他の細かな撮影技術を指導していく上で効果的であることがわかった。続いて、照明技術においては、ライト表現には欠かせないスポットライトとフラットライトの利用と日常あまり使わないバックライト表現の2項目を中心に指導して得いくことが、照明の表現技術を指導していく上で効果的であることがわかった。最後に編集技術においては、アッセンブル編集とインサート編集の区別と編集機の特性であるプリロールの指導の2項目を中心に指導し、編集の基本操作であるインポイントとアウトポイントの設定とその利用法について指導していくことが、その他の細かな編集技術を指導していく上で効果的であることがわかった。 2、AVメディア利用技術力と企画・構成力(指導案構想力)の相互関係の分析 AVメディア利用技術の成績の高低、そして作品づくりの経験の有無が、企画・構成の細部に目を向けるカット数、音響・BGM演出、全体へと目を向けるストーリ性の有無に、かなり影響を及ぼしていた。このことは、本研究が問題にしているAVメディア利用技術力の形成が、企画・構成と関わる指導案の作成に影響を及ぼすことを推測させてくれた。詳細は、報告論文を参照してほしい。
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