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酸性降下物によるモルタル・コンクリート建造物の劣化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 06858057
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 環境影響評価(含放射線生物学)
研究機関神奈川大学

研究代表者

大河内 博  神奈川大学, 工学部, 助手 (00241117)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
1994年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード酸性雨 / 酸性雲 / 乾性降下物 / 降雨強度 / 大気曝露 / モルタル / 中性化 / 腐食生成物
研究概要

1.疑似酸性雨曝露実験…実験はモルタル柱状試料(直径5cm×高さ10cm)にpH3、4.7の疑似酸性雨と純水を5mL/minで2時間曝露した後、pH3は放置および乾燥(70℃で4時間)という条件で、pH4.7と純水は放置条件のみで行った。pH3の疑似酸性雨のモルタル接触後の溶液pHは、ほぼ一年分の降水量に相当する曝露後5日目から3.2付近で一定となり、pH4.7と純水ではpH3と比べると溶液pHは高く、純水に比べてpH4.7の溶液の方がわずかに低いpH(約pH6.3)を示した。一方、モルタルからのCa積算溶出量はpH4.7と純水でほぼ同程度であるが、pH3の条件では圧倒的に多く、90日後にはpH4.7と純水に比べて5〜6倍となった。なお、この時のCaの溶出速度はpH3で3.32mg/day、pH4.7で0.632mg/dayであった。モルタルの中性化は酸性度が高い程進行するが、pH3の疑似酸性雨では放置条件(3.7mm)に比べて乾燥条件(5.5mm)では90日間で約1.5倍促進されることが明らかとなった。また、曝露液量が同じ場合には、降雨強度が小さいほどCa、Siの溶出量は増加するが、中性化はほとんど促進されなかった。
2.疑似酸性雲(霧)曝露実験…平均液滴径10μm以上のpH3の酸性霧を曝露した後(一回に2L/hrで2時間)に放置および乾燥するという条件を1サイクルとして合計30回行ったところ、中性化深さはそれぞれ1.63mm、0.83mmであり、いづれもpH3の酸性雨を曝露した時(それぞれ1.33、0.67mm)に比べて中性化が促進されることが明らかとなった。
3.大気曝露実験…モルタル試料を乾性降下物のみ、乾性と湿性降下物の両方の2条件で屋外に曝露した。1年後の中性化深さは乾性降下物と乾性+湿性降下物の曝露条件でそれぞれ2.6、1.1mmであり、乾性降下物のみの方が約2.5倍中性化が進行していることが分かった。また、曝露表面のNO_3^-、SO_4^<2->含有量も測定したところ乾性降下物のみの方が高く、大気中の酸性ガスと反応してCa(NO_3)_2、CaSO_4などの腐食物が生成している可能性が示唆された。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 大河内 博: "イオンクロストグラフ法による霧水中のフッ化物イオンと臭化物イオンの定量" 分析化学. 43. 1005-1008 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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