研究概要 |
本研究は、マイクロアレイデータで得られた発現データからの遺伝子ネットワークの推定を目的とする。とくに、複数の異種モデルを用いることを前提として、集団学習のアプローチによりモデルを統合してより頑強な推定手法を構築する。具体的には、異種モデルの推定結果を動的(競合的)に組み合わせる一方で、静的(協調的)に統合して新たな推定と仮説を生成する。またバギングやブースティングなどの機械学習の手法により、与えられたマイクロアレイデータからブートストラップ法(例題からの復元抽出)を繰り返して擬似的にデータ(仮説)を作り、複数の機械を独立に学習し、多数決により頑強な学習手法を確立することを試みた。 研究代表者は分担者(David Venet)と協力して、(1)S-systems,(2)重み付けネット,(3)微分方程式系,(4)確率微分方程式,(5)ベイジアンネットのそれぞれのモデルに関しての遺伝子ネットワークの推定の研究を行い、遺伝的アルゴリズムを用いた推定手法を提案し、国際会議で発表するなどの成果をあげた。たとえば、遺伝子ネットワークの推定に関して、第17回ゲノム情報処理に関する国際会議(The 17th International Conference on Genome Informatics, GIW2006)において、"Meta Clustering : Discovery of the Different Sample Clusterings in Gene Expression Data"と題する発表を行った。この技法の新規さと有効性が評価され、最優秀論文賞を受賞した。
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