研究課題/領域番号 |
06F06131
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
塩嵜 忠 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授
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研究分担者 |
PING-HUA Xiang 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 無鉛材料 / サーミスタ / PTC / チタバリ / コアシェル / コーティング |
研究概要 |
PTCRとはPositive Temperature Coefficient of Resistivity(抵抗の正温度係数)の略で、ある温度で急激に電気抵抗が上昇する現象であり、半導体化させたチタン酸バリウム系セラミックスに生じる。この特性を利用して外部に制御回路を必要としないインテリジェントなヒータ素子として応用されている。本研究では環境問題の観点から鉛を使用しないチタバリ系半導体セラミックスの開発を行っている。本年度は、(Bi_<1/2>)TiO_3(BKT,T_c=380℃)に注目し、Ba_<1-x>(Bi_<1/2>K_<1/2>)TiO_3(BBKT100x)半導体セラミックスを作製することで、高温で動作可能な無鉛材料の開発を目指した。高温動作型PTCR素子の作製を行うにあたり、誘電率特性および焦電特性を評価し、BBKTセラミックスではどこまで動作温度を上げることが可能であるのかについて調査した。誘電率温度特性評価より、誘電率の最大値温度T_m(T_m=T_c)は、BKT置換量増加に伴い上昇し、BBKT90ではT_mがおよそ380℃を示した。BBKT5およびBBKT10セラミックスを低酸素濃度雰囲気中で焼結させ、大気アニール処理を行うことで明瞭なPTC特性を得ることに成功した。これらに対し、BBKT15およびBBKT20半導体セラミックスでは、大気アニール処理を行わなくてもPTC特性を発現する。そこで、BBKTおよびBTの各半導体セラミックスの電気伝導特性を比較するために、複素インピーダンス分析を行った。その結果、大気アニール処理を行っていない試料では、粒内と粒界が電気伝導に関係しているのに対し、大気アニール処理を行うことにより粒内と粒界に加え粒内の周りの薄い表面層が現れ、粒界と粒内の周りの薄い表面層がPTC特性に関係していることがわかった。今後、さらにBKTの置換量を増加させることで、より高温動作可能な無鉛PTCRセラミックスの作製が期待できる。
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