研究課題
特別研究員奨励費
和牛の生産にとって、脂肪交雑等の肉質の改良や遺伝性疾患などの生産性に負の影響を与える遺伝的の要因の除去はきわめて重要な課題である。そこで、本研究はこれらの形質を支配する遺伝子を特定することで和牛の育種改良に貢献することを目的とする。本研究では和牛の生産性に関与する形質として牛に発生する遺伝的眼球異常を対象とした。この形質は眼球の形成に異常を呈し、盲目となることから本疾患を発症した個体の市場価値は低下し、和牛の生産にとって負の影響をおよぼすが、一方でこれまでに本形質のキャリア個体が優れた産肉能力持つ種雄牛であることが多いため、逆に本遺伝子が産肉形質に関連している可能性も指摘されている。少数の種雄牛に由来する本形質を発現する個体を含む家系の血液をサンプリングするとともに、表現型に関するデータを収集し、本形質の詳細な病理学的解析を行った。つぎにウシの全染色体を網羅するマイクロサテライトマーカーよりなる連鎖解析のシステムを用いて、得られた家系のサンプルより抽出したDNAを用いて、これらのマイクロサテライトマーカーのタイピングを行った結果、本形質を支配する遺伝子はウシ第19染色体上の特定の領域にに存在することが明らかになった。さらに当該領域存在する遺伝子の発現を調べることで、本形質に関与する可能性のある遺伝子の特定を試みると共に、それらの遺伝子の塩基配列の決定を行った。その結果、特定の分泌性タンパク質をコードする遺伝子に本形質と関連する可能性ある変異が同定された。この変異により、本分泌性タンパク質機能は失われていると考えられた。この遺伝子の発現を詳細に調べたとところ、眼球のみならず、筋肉を含む各種組織で発現していることが確認された。したがって、本遺伝子の変異が和牛に発生する遺伝性眼球形成異常の原因であると共に、他の生産形質に本遺伝子の変異が関与している可能性が考えられた。
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