研究課題/領域番号 |
06F06338
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大野 公一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
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研究分担者 |
LUO Yi 東北大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2008年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | ポテンシャルエネルギー表面 / 量子化学計算 / 反応経路 / プロトン化水クラスター / 大気化学 / 燃焼化学 / 超球面探索法 / 遷移状態 / 水素結合 / 燃焼反応 / ポテンシャルエネルギー曲面 / 反応ダイナミクス / 平衡構造 |
研究概要 |
分子やクラスターの構造および化学反応は、量子化学計算によるポテンシャルエネルギー表面(PES)を調べることによって理論解析できる。PESは振動の自由度と同数の変数を持つ多変数関数であり、PES上の系統的な自動探索は非常に難しい課題であった。申請者らはPES上の反応経路をエネルギーの低い方から高い方へと向かって上っていくことのできる一般的な手法(超球面探索法)を初めて開発し、PES上の反応経路ネットワークを直接辿ることを可能にした。これにより、反応経路以外の無駄な部分を計算せずに効率よくPES上を自動探索できる。本研究では超球面探索法を以下の解析に応用した。 (1)プロトン化水クラスターH^+・(H_2O)_n(n=5-8)の安定構造の系統的な自動探索を行い、温度変化に伴って構造がどのように転移するかを明らかにした。それらの構造は、実測の赤外スペクトルに現れている特長を良く再現するものであり、観測されている構造の同定に本手法が非常に有効であることを示すことが出来た。 (2)エンジン内での燃焼反応によって生じる過酸化物を分解するための酸化防止剤として用いられているCuDDP(cuprous dialkyldithiophosphate)について、CuDDPによるCH_3COOHの分解経路を本手法によって系統的に調べ、その反応機構を解明した。 (3)大気中での反応として興味が持たれているギ酸(HCOOH)分子とヒドロキシ(OH)ラジカルとの反応について、余計な水単分子が周囲に存在する場合の反応経路を系統探索し、水単分子によってCOOH/HCOOラジカルの生成反応(HCOOH+OH→COOH/HCOO+H_2O)の障壁が低下することを示した。また、水単分子の存在によって、存在しない場合とは異なり、HCOOラジカルよりもCOOHラジカルが優位に生成することを予測した。
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