研究課題/領域番号 |
06F06566
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
田中 康資 独立行政法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス研究部門超伝導材料グループ, 主任研究員
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研究分担者 |
SHIVAGAN Dilip Dhondiram 独立行政法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス研究部門・超伝導材料グループ, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 超伝導エヒクトロニクス / ソリトン / 超伝導薄膜材料 / i-soliton / 多層型高温超伝導体 / 渦糸分子 / フラクショナル量子 / 多成分量子凝縮相 / 超伝導エレクトロニクス |
研究概要 |
バンド間位相差ソリトン検出回路に関しては、測定装置の設計および製作を行った。平成20年度に試運転を行う予定。 平成18年度に発見した、バンド間位相差ソリトンによる新現象「渦糸分子」に関し研究を進め、たくさんの渦糸分子が集まってできる渦糸分子格子について、分子の回転運動が関係する「臨界減速」を示唆する実験結果を得た。具体的には、多層型高温超伝導体CUBa_2Ca_2CU_30_y(Cu-1223)やHgBa_2Ca_<l3>Cu_<14>0_yの交流帯磁率の虚数成分の温度依存性を測定すると、二つのピークが現れる。低い温度の方のピークの周波数依存性を測定すると、温度によらないユニバーサルな緩和曲線にスケーリングされる実験事実を突き止めた。(これに対し、高い温度の方のスケーリングは、低い温度のピークほどのユニバーサリティーの完壁さはない。)特徴的時間スケールの温度依存性が決定でき、その発散する温度が決定できた。この結果は、今までに観測されたことのない新しいクロスオーバー(または相転移)の存在を、実験的に強く示唆している。 これらの実験から、渦糸分子が作る渦糸格子の相図について一般的な考察を行った。渦糸分子は、回転以外に、捻じれもあり、この捻じれに、新しいソリトン構造が生まれることを見出した。このソリトンの出現は、渦糸が格子を組むと、渦糸の軸回りの回転対称性がなくなることに起因する。このソリトンの長さは、Cu-1223の場合0.5T、30Kで、10μmにも達すると予想される。現在使用している微結晶の厚みと同じ程度である。このように、空間的に大きなスケールを持つ素励起があるため、相図は試料の厚みなどに大きな影響をうけ、著しく試料依存性があることがわかった。 これらの実験結果や考察は、5報の国際誌(4報出版済み、4報は、印刷中および掲載決定)、5つの国際会議で発表し、多くの研究者に注目された。
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