研究課題/領域番号 |
06J00448
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小林 正人 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 分割統治法 / 高速量子化学計算 / Linear-scaling法 / MP2法 / CCSD法 / 電子相関計算 / タンパク質複合体 / APSG法 / Divide-and-conquer (DC)法 / MP2計算 / van der Waals相互作用 / エネルギー密度解析(EDA) / 高速電子状態計算法 |
研究概要 |
光合成アンテナ系のようなタンパク質複合体の電子状態を精度良く表すためには、現在広く用いられている密度汎関数理論(DFT)では十分でないため、波動関数理論に基づいた電子相関を含む高精度な電子状態計算の高速化が必要不可欠である。報告者はこのニーズに応えるため、全系を部分系に分割して計算を行う分割統治(DC)法に注目し、これに基づく高速な2次Moller-Plesset摂動(MP2)計算法、DC-MP2法を開発してきた(J. Chem. Phys. 127, 074103)。これにより計算コストを系の大きさNに対してほぼ線形と、従来法のN^5に対して劇的に改善することに成功した。しかし、そのプレファクターは大きく、実際の計算のためにはこの改善が求められていた。そこで、Hartree-Fockと電子相関計算の両者で同程度の精度を保つために要求される部分系の環境(バッファ領域)の大きさが異なることを用い、このプレファクターを削減するdual-level DC-MP2法を開発した。さらに、DC法をMP2よりもさらに精度の高い結合クラスター(CC)法に適用したDC-CCSD法の理論およびプログラムを開発し、線形の計算時間を保ったまま高精度の計算手法に拡張することに成功した。 MP2法やCCSD法によって、動的電子相関を定量的に取り扱うことはできるが、静的電子相関はほとんど取り入れることができない。これを効率よく取り入れることができ、大規模系への適用も期待される手法にAPSG法があるが、この手法は動的電子相関を取り入れることができなかった。申請者は、APSG波動関数に対して摂動的に動的相関を取り入れる手法を開発した。これにより、結合の解離などを伴う化学反応のエネルギー局面を定量的に再現することに成功した。
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