研究課題/領域番号 |
06J00510
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中里 健一郎 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 初代星 / 重力崩壊 / ニュートリノ / ブラックホール / 高温・高密度状態方程式 / スーパーカミオカンデ |
研究概要 |
宇宙で最初に出来た初代星の研究は、化学進化など宇宙の歴史を理解する上で重要である。これらの星には、太陽の数十倍〜千倍程度の質量のものが多くあったとされており、それが進化の最後に重力崩壊を起こしてブラックホールを形成とされている。その際、パイ粒子の凝縮やハイペロンの出現、クォークの解放(QCD相転移)が起こるような高温・高密度領域を通過する可能性がある。 最近のわれわれの研究により、これまできちんと考慮されてこなかったこれらの現象が、状態方程式をやわらかくすることでブラックホール形成のダイナミクスに影響を与えることが分かった。具体的には、100太陽質量以下の星で重力崩壊が加速され。ブラックホール形成までの時間が早まることが分かった。特に、ハイペロン出現の効果は大きく、40太陽質量程度の超新星爆発を起こすような星より少し重い星で、この違いが極めて顕著に現れることも分かった。 そこで当初の計画を一部変更し、40太陽質量の星の重力崩壊から放出されるニュートリノが、既存の検出器であるスーパーカミオカンデにおいてどのように検出されるかを詳細に解析した。具体的には柔らかい核物質のモデルに基づく状態方程式の場合と、硬い核物質のモデルにハイペロンの自由度を考慮した状態方程式の場合で比較した。状態方程式の硬さはブラックホール形成までの時間を決め、それがニュートリノの総検出数に反映されるが、両者で総検出数にあまり違いはなかった。しかし、累積イベント数の時間発展に着目すると、銀河系内のイベントであれば、両者の違いが統計的に有為に検出されることが分かった。これは、ニュートリノ天文学によって、高密度物質の物理へのフィードバックが可能であることを示した、意義深い成果であると考えている。
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