配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
研究概要 |
初期発生期の脊椎動物において,中枢神経系を広範囲に伝播する脱分極波が生じることが知られており,神経系の発生において重要な役割をになうと考えられている.これまでの研究により,ニワトリ胚においてはこの広範囲脱分極波が延髄の尾側と頚髄の吻側周辺の限られた領域から現れはじめることが示された.この領場を除去すると異なる部位から広範囲脱分極波が現れることから,延髄・脊髄の全域が広範囲脱分極波を生じる能力を持っており,その中で神経活動強度が最も大きい部位が広範囲脱分極波開始点となることが予想された.そこで本研究では,ニワトリ胚の延髄と頚髄を小さな領域に分断し,それぞれの自発活動を記録することで神経活働強度の部位差を調べた.延髄・頚髄の各領域はstage10-11において菱脳節または体節の境界で切断され,stage24以降に各領域に生じた運動神経根から吸引電極で自発活動を記録した通常のニワトリ胚中枢神経系においでは,stage24から広範囲脱分極波のburstが記録ぎれ,stage26以降は一つのburstまたは複数burstの繰り返し(episode)が規則的な間隔をおいて記録される.今回の研究においては,延髄吻側の領域ではstage28までburstが記録いされず,その他の領域ではstage24からburstが記録された.burstの規則性はstage26以降に尾側から現れ始め,stage31までには全領域に広がった.また,全てのstageを通して,一つのepisodeに含まれるburstの数が延髄の尾側と頚髄の吻側周辺と相同な領域において最大となる傾向かあった.これらの結果は,burstを生じる領域のうち一つのepisodeに含まれるburstの数が大きい領域が広範囲脱分極波の開始点となることを示唆している.
|