配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
これまでの研究において,始原的炭素質コンドライト(COコンドライト)に含まれるコンドリュールについて,26Alを用いた年代測定を行ってきた。その結果,FeOに乏しいタイプ1コンドリュールはLLコンドライトのコンドリュールとほぼ同時期(難揮発性包有物CAI形成後,150-250万年)、FeOに富むタイプ2コンドリュールはCAI形成後200-300万年という結果が得られている。本年の研究において、CRコンドライトのタイプ1コンドリュールに関しても同様の26Al年代測定を行った。その結果、COタイプ1コンドリュールに比べると比較的若い(CAI形成後200-300万年)年代を示すことが明らかになった。26Al年代のひとつの問題点として,年代測定を行った試料が熱変成を受けていた場合,26Al-26Mgが乱されることになり,年代情報とはなりえないことが挙げられる。そこで、26Al年代測定を行ったCOコンドライトのタイプ1コンドリュール中の斜長石について詳細な岩石学的観察を行った。ひとつのコンドリュール中に不均質および均質の組成分布が共存すること,自形の斜長石結晶は不均質の累帯構造を示すことから,コンドリュールメルトから斜長石が結晶化する火成的成因で説明され,コンドライト母天体上での熱変成由来ではないという結論に至った。この成果はGeochimica et Cosmochimica Actaに掲載された。さらに、CRコンドライトのタイプ1コンドリュールに含まれる斜長石についても同様の詳細な岩石学的観察を行った結果、MgOにおいて顕著な不均質がみられることが明らかになった。CRコンドライトのコンドリュールはCOに比べ若い年代を示すが、この年代は母天体による熱変成の影響ではなく、形成年代情報を示していることを強く示唆していることが明らかになった。
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