研究課題/領域番号 |
06J01748
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
今村 寿子 (滝川 寿子) 総合研究大学院大学, 生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 概日リズム / 生物振動 / シアノバクテリア / 数理生物学 / 数理モデル / 計算機シミュレーション |
研究概要 |
シアノバクテリアの概日リズムを司る時計タンパク質KaiCは、発現レベルおよびリン酸化レベルが24時間周期で変動する。特にリン酸化レベルの振動は、3種類のKaiタンパク質を試験管内にて混合することで再現され、新しい概日機構解析モデルとして注目されている。これらの自律振動現象について、比較的簡単な数理モデルを構築し、振動が起きうる条件を網羅的に解析することで、分子機構の予測を試みた。まず発現レベルの振動について、kai時計遺伝子の自己転写制御機構を予測した。次にリン酸化レベルの振動について、KaiCが多様なリン酸化状態を有することが発振に必要であることを予測し、多様な状態間の機能的差違と、その振動制御における重要性を示した。実際、その後の実験グループの研究により、KaiCは多様なリン酸化状態を示すことが明らかとなっている。昨年度学術誌に発表したこれらの研究は、申請者の平成19年度博士論文として修められ合格している。 最近になって、KaiC六量体間の単量体交換によってリン酸化状態の同調が起きることが報告された。個々の分子が自律的にリン酸化発振しうるならば、単量体交換による同調によって全体のリン酸化レベルの振動が現れている可能性がある。一方で我々は先の研究において、Kaiタンパク質複合体からリン酸化反応に対する負のフィードバックを発振原理として仮定してきた。本年度の研究では、同調とフィードバックという、2つの発振原理仮説を検証した。KaiC分子について個体別モデルを作成し、シミュレーションを行った。その結果、リン酸化レベルの同調だけでは振動は起こせないこと、リン酸化反応へのフィードバックは振動を起こせること、同調は周期を安定化させる効果があることが分かった。本研究は現在投稿準備中であり、20年度中の発表を予定している。
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