研究課題/領域番号 |
06J02656
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物物理・化学物理
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研究機関 | 東京大学 (2007) 京都大学 (2006) |
研究代表者 |
町田 洋 東京大学, 物性研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | フラストレーション / ホール効果 / パイロクロア格子 / パイロクロア / 酸化物 / スピンカイラリティー / スピンアイス / 金属磁性体 |
研究概要 |
幾何学的フラストレーションをもつ金属磁性体Pr_2Ir_2O_7における輸送特性、特にホール効果について、単結晶を用いた希釈冷凍機温度までの低温実験により明らかにした。また、交流磁化率、直流磁化率や比熱測定を通して、Pr_2Ir_2O_7の基底状態における金属においては初めてのスピンアイス状態の実現を示唆する結果を得た。 我々はこれまでこの物質における非従来型の異常ホール効果について報告してきたが、本年度は希釈冷凍機を用いた極低温領域での輸送現象について研究を行った。その結果、DC磁化率で観測されるスピン凍結温度よりも高温のPrスピンが短距離相関を発達させる温度付近からホール効果にヒステリシスが現れることを見出した。また、このホール効果のヒステリシスは、磁場を[111]の結晶軸方向にかけたときに起こるスピン構造の変化に伴ったメタ磁性転移を境に消失することが分かった。これらの結果は、ヒステリシスの出現がPrスピン間のスピンアイス的な相関に起因していることを強く示唆している。このような特異な輸送特性は、局在スピンが2-in,2-outという立体的なスピン配置をとり有限なスピンカイラリティー(S・S×S)をもつスピンアィス状態を金属において初めて実現するPr_2Ir_2O_7に固有の全く新しい現象といえる。
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