研究課題/領域番号 |
06J02722
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤下 晃章 京都大学, 医学研究科, 特別研究員PD
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | mTORシグナル / 消化管腫瘍 / Wntシグナル / 血管新生 / 家族性大腸ポリープ症 / ApcΔ716マウス |
研究概要 |
申請者は昨年度までの研究により、ヒト家族性大腸ポリープ症のモデル動物であるApcΔ716ノックアウトマウス(Wnt シグナルの異常な活性化がポリープ形成を引き起こす)の腸管ポリープにおいてmTORシグナル経路が活性化していること、mTOR阻害剤投与群のApcΔ716ノックアウトマウスのポリープ形成がプラセボ投与群に比べ有意に抑制されたことを確認した。また腫瘍上皮細胞の増殖をサイクリンの発現阻害を介し抑制している事を示唆した。一方ポリープでの血管新生も阻害剤投与群で減少していたことから、阻害剤による腫瘍形成抑制は上皮だけでなく間質、特に血管に対しても作用していることを示した。本年度は以下の2点に重点を置き消化管腫瘍形成におけるmTORシグナルの役割の解析を行った。 1)WntシグナルによるmTORシグナル活性化の誘導機序の解析 WntシグナルがmTORシグナルに与える影響を確認するために、Wntシグナルが活性化している大腸癌細胞株にβ-カテニンsiRNAを処置しWntシグナルを遮断した。Wntシグナルを遮断した細胞ではmTORの発現がmRNAレベルで低下していることを確認した。この結果はWntシグナルがmTORの発現を調節しmTORシグナルの活性化を引き起こすことを示している。 2)mTOR阻害剤による腫瘍形成抑制機序の解明 間質系の細胞に対するmTOR阻害剤の影響を検討するため、組織中のVEGFやCOX2等の血管新生や炎症に関係する因子の変動をタンパク質及びmRNAレベルで確認したが、プラセボ投与群と比べ有意な差は認められなかった。しかしながら正常組織中の血管内皮細胞では認められなっかたmTORシグナルの活性化が、ポリープ内の新生血管において活性化していることが確認できた。この新生血管におけるmTORシグナルの活性化はmTOR阻害剤の標的となる可能性を示唆している。
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