研究課題/領域番号 |
06J03184
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
土木材料・力学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
有川 敬 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | テラヘルツ / THz / 水和 / 全反射減衰分光法 / ATR / 生体分子 / 自己組織化 / ミセル / 局所電場 |
研究概要 |
水和現象はタンパク質や細胞膜の自己組織化した構造を形成・維持において重要な役割を果たしており、生体機能メカニズムの物理的な理解のための鍵となる現象と考えられている。水溶液中の分子の水和状態はこれまでさまざまな手法で調べられてきたが、最新の分光学的手法であるテラヘルツ時間領域分光法は、水素結合のエネルギーに対応する周波数領域の分光法であることから、水和現象の研究への応用が期待されていた。そこで水溶液中での生体関連分子の水和状態を、テラヘルツ時間領域分光法を用いて実験的に研究した。昨年度までに、測定量から水和した水分子に関する情報を取り出す新たな解析手法を提案・確立し、様々な生体関連分子水溶液を用いてその有効性を示してきた。 この手法を用いてミセルの水和状態を調べた。ミセルは分子内に親水基と疎水基両方をもつ両親媒性分子が、疎水性相互作用によって水中で自発的に集合して形成される。研究の結果、このような集合体の表面には温度に対して安定な水和水の層が存在することがわかった。また安定な水和層の形成は、ミセルを形成している両親媒性分子の親水基と、水和水との水素結合ネットワークの形成が重要な要因となっていることが示唆された。このような安定な水和構造の存在によって、自己組織化した構造が安定化されていることが考えられ、水和水の役割に関する研究に新たな知見を与えた。
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