研究課題/領域番号 |
06J03210
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
兵藤 義明 京都大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員DC1
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | X線天文学 / 中性子星連星系 / すざく / ダスト散乱 / X線CCDカメラ / 星形成 / 大質量星 / 銀河中心 / X線CCD |
研究概要 |
低質量中性子星連星系(LMXB)はエクリプスとディップという2つのX線強度減少状態が存在することが分かっているが、その物理的解釈は様々であった。Diaz Trigo et al.(2006)は6個のLMXBを系統的に解析し、ディップは降着円盤コロナ中のプラズマによる吸収で説明できる、と主張した。 我々は「すざく」衛星を用いて、アウトバースト状態にあるLMXB、AXJ1745.6-2901のX線分光観測を行った。X線CCDカメラによって得られた高精度スペクトルを解析したところ、4本(ヘリウム状鉄、水素状鉄、ヘリウム状ニッケル、水素状ニッケル)の吸収線を初めて発見した。また、エクリプスの直前のディップ状態を初めて検出し、さらにダストの空間分布をモデル化した上でエクリプス中の放射がダスト散乱によってよく表されることを明らかにした。エクリプス中のスペクトルからは深い中性鉄の吸収端がはっきりと検出された。これはDiaz Trigo et al.(2006)のシナリオでは説明できない。ディップは一般にエクリプスの直前に現れることからもディップ中のスペクトルは降着円盤コロナよりも(冷たい)降着流による吸収である、と考えるべきである。LMXBを含む多くのX線連星系は伴星からの降着によって放射エネルギーを得ている。ディップ中のスペクトルに現れる吸収を用いて降着物質の物理的パラメータを観測的に求めることができるだろう。
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