研究課題/領域番号 |
06J03267
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物物理学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
若林 真樹 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2008年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | アミロイド / ガングリオシド / コレステロール / 脂質ラフト / アミリン / 受容体 / アミロイドβ蛋白質 / 神経成長因子 / 細胞毒性 / アミロイド形成阻害剤 |
研究概要 |
これまでに、II型糖尿病患者の膵ラ氏島に蓄積するアミリンが、アルツハイマー病原因タンパク質であるアミロイドβタンパク質(Aβ)と同様、コレラトキシンの蛍光色素付加体(CTX-B)で染色したPC12細胞膜上で観察されるコレステロールリッチかつガングリオシドリッチな脂質ラフト様ドメインに特異的に蓄積すること、また蓄積したアミリンがアミロイド染色色素コンゴレッドにより認識されるアミロイド構造を有していることを示してきた。このことよりガングリオシドリッチドメインがAβのみならずアミリンのアミロイド線維形成の足場としても機能しうることが明らかとなっている。 そこで次に、細胞膜中のガングリオシド・コレステロール含有量が細胞膜上でのアミリンのアミロイド線維形成に及ぼす影響について検討を行った。まず、compactin(mevastatin)、PDMP(D,L-threo-1-phenyl-2-decanoylamino-3-morpholino-1-propanol)によりそれぞれPC12細胞膜中のガングリオシド、コレステロールの合成を阻害し、アミリンの蓄積を観察したところ、細胞膜中のガングリオシドもしくはコレステロール量の減少に伴い、アミリンの蓄積量にも顕著な減少が見られた。また、CTX-Bにより細胞膜の染色をうけないCHO(Chinese Hamster Ovary)細胞にアミリンを投与しても、アミリンの蓄積はみられなかった。これらの結果はアミリンの細胞膜上への蓄積が脂質ラフト様ドメイン中のガングリオシド分子に大きく依存していることを示している。以上より、一部のアミロイド原性タンパク質の細胞膜上でのアミロイド線維形成の足場として、脂質ラフト様ドメイン中のガングリオシド分子が重要な働きを担っている可能性が示された。
|